読み方・表示名 | 亜硫酸Na・ありゅうさんなとりうむ・亜硫酸ソーダ・亜硫酸塩 |
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使用用途 | 保存料( カビや細菌などを抑制し、食品の保存性を高める。食中毒の防止。) 漂白剤( 食品を漂白し、白くきれいにする。) 酸化防止剤( 油脂などの酸化を防ぎ、保存性を高める。ワインに添加される場合は「亜硫酸塩」と表示する。 ) |
使われている主な食品 | かんぴょう・納豆・煮豆・あんず・えび・ワインなど |
使われている主な製品 | 共立食品「 やわらかフルーツミックス フルーツビッツ ドライストロベリー 」 黒田屋「 ドライフルーツ みかんコラーゲン入り 」 神戸のおまめさん みの屋「 トルコ産あんず 」 ダスカリデス「 ショコラ&トリュフ 」 キューピー「 ディジョンマスタード 」 ワイン全般( 酸化防腐剤不使用表示を除く ) ※酵母が醗酵中に自ら亜硫酸を生成する場合がある。 |
毒性 | 急性毒性が強く、神経への影響が心配される |
綺麗すぎるドライフルーツ
輸入食材店には、あんずをはじめイチゴやマンゴー、鮮やかな色を保ったドライフルーツが並んでいます。
その鮮やかな色が本来の果実の色なのか、気にかけたことがあったでしょうか?食品売り場は購買意欲を高めるために、色彩に溢れています。手作りでドライフルーツを作ったことがなければ、亜硫酸Naで酸化防止した色が本来の色だと誤解してしまいそうです。
体にいいと思って食べていたドライフルーツが、添加物だらけだった…なんてならないように、気をつけなければいけません。亜硫酸Naには、摂りすぎると中毒症状が見られ、胃腸に激しい刺激があります。
ワインの亜硫酸塩は必要悪?
様々な食品に添加されています。人間が大量に摂取すると、胃腸に激しい刺激や嘔吐を起こします。
「 他のお酒は平気なのにワインを飲むと頭痛がする 」と言う人がいます。これは、ワインに添加された亜硫酸塩のせいかもしれません。
人間の体には自らを守ろうとする防衛システムがあります。
その中には、化学物質過敏症というものがあり、有害な化学物質を摂取すると、体内から危険信号が発せられ、頭痛・嘔吐・下痢などの症状が現れるのというのです。
添加物の危険が認知されるに従って、多くの人たちがワインの添加物( 亜硫酸塩 )の影響を心配し始めました。
添加物を加えたワインを飲み続けて大丈夫か?添加物なしでワインは作れないのか?
最近では近くのスーパーでも「 酸化防止剤不使用 」とラベルに表示のあるワインを多く見かけるようにもなりました。
日本の大手ビールメーカーもこぞって無添加ワインを売り出しています。
しかし、酸化防止剤とワインの関係は科学が進んだ現代に始まったことではないということを知らなければなりません。
2000年前の頃の記録に、古代ローマの人々はワイン用の壷には、ワインを入れる前に硫黄の塊を燃やして亜硫酸を作り出し、雑菌を防いだと言われています。
現代のワイン造りにおいて、亜硫酸塩を添加するのは、第一に、バクテリアや酵母の働きを抑制するためです。
これは、まず最初に、発酵が始まる前のぶどう果汁に添加されます。
ワインの中にいる微生物が活発すぎると、完成したワインの味や香りに悪い影響を与えてしまうし、雑菌の繁殖も防ぎます。
第二に、ワインの酸化を防ぐために瓶詰めをする際に再び添加されます。
ワインはとてもデリケートで、素材のぶどうの個性やぶどうの育った土壌を生かして作っても、保存状態が悪ければせっかくの個性もあっという間にバランスを失ってしまいます。
適量の亜硫酸塩によって、瓶の中に残った空気やコルクを介して出入りする微量の空気による酸化を防ぐことができるのです。
ところで、最初に出てきた日本の大手メーカーの無添加ワインですが、味や香りの面では通常製法の( 亜硫酸塩添加の )ワインに劣るように感じます。もちろん個人的な意見ですが。
酸化防止剤無添加で美味しいワインが現れてくれたら一番嬉しいですが、今のところ、こっちはお料理に使って、飲むのはもっぱら亜硫酸塩入りのワインになっています。