管理人こぶたがまだ20代前半の頃、通販のプロポリスの紹介を見て、「抗酸化作用が高いのは凄い!」と感じ、購入して飲んでいたことを覚えています。が、その効果や必要性、自分の変化がよく分からず、リピートはしませんでした。
サプリメントはその効果や作用を理解して、必要な場合に飲むのが大事。このページではプロポリスについて紹介したいと思います。
プロポリスとは
プロポリスとは、ミツバチが植物の樹皮や新芽から集めた樹脂を、自らの分泌物を混ぜ合わせて作られたものです。
植物は傷ができると樹脂を分泌して傷口を閉じ、細菌や微生物が侵入するのを防いでいますが、ミツバチは植物のこの働きを利用するために、巣の入り口や隙間にプロポリスを塗って、巣内でカビが繁殖するのを防いで清潔に保っています。
プロポリス(propolis)の語源はギリシャ語で、守るという意味があるproと、都市という意味を持つpolisを合わせたものとなっており、プロポリスはミツバチの巣において敵の侵入を防ぐための城壁の役割を担っていると考えられています。
古代エジプト人はこのようなプロポリスの抗菌作用を当時から知っていたとされ、ミイラを作る際には防腐剤としてプロポリスを利用していたことが明らかになっています。
プロポリスに含まれる成分
ミツバチは、樹脂を繰り返し噛むことで唾液に含まれている酵素と混合させ、ヤニ状へと変化させます。
そのため、プロポリスは別名で「蜂ヤニ」とも呼ばれています。
プロポリスは、樹脂の採取先となる植物によって含まれる成分が異なりますが、フラボノイドやフェノール酸などのポリフェノールや、分解酵素の一種であるβアミラーゼ、脂質を構成する成分である脂肪酸の他、テルペン類、ビタミン、ミネラルなどが含まれており、その数はおよそ300種類に及ぶと言われています。
世界では医薬品として使われている
日本では、プロポリスは健康食品として取り扱われていますが、以前からプロポリスを民間薬として使用してきたヨーロッパやブラジルなどではその扱いが違い、安全性や有益性が高いプロポリスについては、医薬品として認められ実際に使用されています。
ハチミツやローヤルゼリーとの違い
ミツバチが作り出すもの(ミツバチ産品)と言えば、ハチミツが有名です。
ハチミツはその8割が糖分なので、砂糖の代わりとして料理に甘味を加えるために使われており、少量ながらビタミンやミネラルを含み、摂取しても急激に血糖値を上げないため、健康志向の方に特に支持されています。
また、ミツバチ産品で同様に認知度が高いものにローヤルゼリーがあります。
ローヤルゼリーは、はちみつの高級品と例えられることがありますが、この2つはまったくの別物です。
ハチミツは、ミツバチが集めた花の蜜を巣内で熟成させたものですが、ローヤルゼリーはミツバチが花粉を体内で消化分解した後に、唾液と混ぜ合わせて分泌したもの。
ハチミツが甘いのに対してローヤルゼリーは酸味があり、色も乳白色をしています。
これらに対し、プロポリスは独特の刺激臭やピリッとした苦味があり、含まれている成分も違います。
同じミツバチ産品でも、それぞれに異なった特徴があることがわかります。
ミツバチ産品の中で最も希少価値が高い
プロポリスは、高級健康食品として知られているローヤルゼリーよりも、さらに採取量が少なく、一つの巣箱から年間で100~300g程度ほどしか採れないと言われています。
加えて、プロポリスは人工的に作ることができないため、世界で流通するすべてがミツバチが作り出す天然物のみとなるため、その量に限りがあります。
日本では採取できない
プロポリスは、ミツバチの中でもセイヨウミツバチのみが作り出すことのできる成分です。日本に多く生息しているニホンミツバチはプロポリスを作ることができないことから、日本で販売・製造されているプロポリスであっても原料は海外産となっています。
プロポリスの効果
プロポリスに含まれるフラボノイドやフェノール酸は、ポリフェノールの一種です。ポリフェノールは抗酸化作用に優れた成分として、健康、美容、ダイエットなど様々な分野でその働きが期待されています。
抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素を除去する働きのことを言います。活性酸素は、呼吸で取り入れる酸素を原料にして作られ、一部は免疫機能として働くものの、その多くは細胞を酸化させて、老化を早めてしまう原因となってしまいます。
細胞の老化と聞くと、肌にたるみやしみが増えやすくなることを想像してしまいがちですが、実はガンや糖尿病、認知症、生活習慣病などの病気も、細胞の老化が原因で起こります。抗酸化作用によって防げるのは、見た目の老化だけではありません。
また、プロポリスには、強い抗菌作用や抗炎症作用がある成分が含まれていることから、花粉症などのアレルギーの軽減や、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防効果が期待できると言われています。
ただし、先述した通り、プロポリスは日本においては薬ではなくあくまでも食品(健康食品)であるため、現時点では「〇〇に効く!」のように、明確な効能や効果を謳うことはできません。とは言え、プロポリスは太古からその健康増進効果が知られ、戦地では傷の治療にプロポリスが用いられていたとされる記述が残っていたり、現在も医薬品として使用されている国が存在することを考慮すると、その効果は期待できるものと言えるのではないでしょうか。
プロポリスの選び方
採取国で選ぶ
プロポリスは、原料となる樹脂を分泌する植物によって含まれる成分が違うため、どこで採れたのかがとても重要になります。
プロポリスは現在、ヨーロッパや南米、中国、ロシア、オーストラリアなどで採取されていますが、中でも良質なプロポリスと言われているのがブラジル産です。
ブラジル産のプロポリスは、アフリカミツバチとセイヨウミツバチの交配によって生み出されたアフリカナイズドミツバチによって産み出されていますが、アフリカナイズドミツバチは攻撃性が強く獰猛なのが特徴で、防衛本能が高いことからプロポリスを量産すると言われています。
また、ブラジルの南西部に自生しているアレクリン(学名:バッカリス・ドラクンクリフォリア)という樹木には、この木にしか含まれていないアルテピリンCという成分が含まれており、他のプロポリスに比べて抗菌作用や抗酸化作用が高いと言われています。
アレクリンの木の樹脂を原料にして作られるプロポリスは緑がかった色をしていることから、アルテピリンCが含まれるプロポリスは「グリーンプロポリス」と呼ばれ、プロポリスの中では最高品質とされています。
形状で選ぶ
ソフトカプセルやサプリメント
一般的に飲みやすいとされているソフトカプセルやサプリメントは、プロポリス特有の味や香りがしにくいというメリットがあり、プロポリス初心者には向いています。
しかし、プロポリスを包んだり飲みやすい形に整えるための添加物が多くなる傾向にあり、プロポリス自体の含有量が少なめになってしまうのがデメリットです。ソフトカプセルやサプリメントでプロポリスを摂るなら、プロポリスの含有量や他に使われている原材料を確認してください。
商品ホームページに掲載されていない場合は、直接メーカーに電話をして聞いてみてもよいかも知れません。
液体タイプ
液体タイプのプロポリスは、ソフトカプセルやサプリメントに比べてプロポリスの含有量が多く濃度が濃いです。
プロポリスの成分をしっかりと摂取したいという方は、液体タイプがお勧めでえす。ただし、液体タイプはプロポリスの味や香りをダイレクトに感じるため、飲みにくさを感じる人も多いようです。
キャンディタイプ
いわゆる飴状になっていて、プロポリスの摂取方法としては最も手軽なのがこのタイプです。しかし、プロポリス自体の含有量は少なく、液体タイプやサプリメントと同等の効果を求めるのは難しいです。
抽出方法で選ぶ
プロポリスの抽出方法には、アルコール抽出、水抽出、ミセル抽出の3種類がありますが、水抽出、ミセル抽出てはフラボノイドなどの有効成分の抽出が少ないことから、プロポリスを選ぶ場合にはお勧めできません。
一方、アルコール抽出であれば、フラボノイドなどの成分をしっかりと抽出することができるので、プロポリスを選ぶ時にはアルコール抽出のものがよいでしょう。
※プロポリスの熟成について
一部では、プロポリスは長期熟成したものの方が有効成分が増え、効果も高まるとされているようですが、現在のところ、プロポリスの長期熟成にそのような作用があることはわかっていません。
むしろ、長く置くことで酸化が進んだり、成分が変質するなどの指摘があることから、今のところプロポリスを選ぶ際に熟成期間は考慮する必要はないでしょう。
プロポリスの摂り方
プロポリスは、一度にたくさん飲むのではなく、毎日継続して摂取するのがよいです。また、数多くの有効成分を豊富に含むプロポリスですが、ビタミンCの含有量は少ないため、ビタミンCと一緒に摂取するのがお勧めです。
摂取を控えた方がいい人
プロポリスは食品のため、基本的には薬のような副作用はないと言われていますが、成分によって体調の変化などが考えられることから、以下に該当する場合は摂取を控えるようにして下さい。
1才未満の赤ちゃん
1才未満の赤ちゃんは、ハチミツに含まれるボツリヌス菌の耐性がないため、乳児ボツリヌス症にかかる可能性があります。プロポリスはハチミツとは違いますが、同じミツバチ産品であることから、ハチミツと同様に摂取を控えるようにしましょう。
ハチミツやローヤルゼリーでアレルギー反応が出た人
上記と同様の理由で、過去にハチミツやローヤルゼリーを摂取してアレルギー反応が出た人は、プロポリスの摂取は控えた方がよいです。
なお、プロポリスを含む歯磨き粉や入浴剤、化粧品などが商品として販売されていますが、これらもアレルギー反応によって皮膚に炎症やかゆみなどを起こす場合があるので、食品と同じように注意が必要です。
妊娠中や授乳中の人
お母さんが摂取したものはそのまま胎児や赤ちゃんにも栄養となって運ばれるため、妊娠をしている人やその可能性がある人、授乳中のお母さんはプロポリスの摂取は控えるようにしましょう。
持病のある人
薬を飲んでいる場合は、薬の効き目が弱くなったり、逆に強くなることも考えられるので、念のため主治医に相談の上、プロポリスを摂取するようにして下さい。