読み方・表示名 | ポリリジン・ε-ポリリジン EPL |
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使用用途 | 保存料( カビや細菌などの発育を抑制し、食品の保存性を良くする。食中毒を予防する ) |
使われている主な食品 | デンプン系の食品 |
使われている主な製品 | なとり「 燻製香る おつまみセレクション 」 JR東海パッセンジャー「 幕の内歌舞伎 」( 駅弁 ) 崎陽軒「 横浜中華弁当 」 塩荘「 荘兵衛さんの極上さばずし 荘兵衛さんの極上炙り鱒寿司」 ふじ田「花咲かに弁当 」( JR稚内駅 ) |
毒性 | 慢性毒性 |
天然の防腐剤
ポリリジンは、必須アミノ酸でもあるリジン由来の防腐剤で、細菌の発酵によってできる物質です。真菌・酵母・グラム陽性菌・グラム陰性菌に対して抗菌効果があります。
自然発生法によるポリリジンの生産法は1977年に大阪府立大学の教授によって報告されました。
1985年以降、日本で食品添加物の指定を受け、2004年にはアメリカでも「 一般的に安全と認める 」として食品への使用が認められました。
現在は、日本を中心に韓国・アメリカで保存料として使われています。
主に「 白米・調理済み野菜・スープ類・麺類・寿司 / 刺身用魚の切り身など 」に使用されています。
ポリリジンの使用が多く見られるのは、スーパーの巻き寿司や駅弁などです。
また、福井県の農業試験場・食品加工研究所では、ポリリジン製剤を添加すると、保存性が向上し、合成保存料( ソルビン酸 )に匹敵する効果が得られたとあります。
しかし、安全性については、はっきりとした情報はありません。
コンビニ弁当の品質
コンビニ弁当は、しばし、「 添加物だらけ 」とされ、度々話題になってきました。ポリリジンもよく使用されていた食品添加物の一つです。
しかし、2001年以降セブンイレブンを筆頭に各コンビニが相次いで保存料・合成着色料の使用中止と、添加物削減を発表しました。
これによって
- 「 明太子スパゲッティ 」着色料( 赤102、赤106、黄5、カロチノイド )→ 着色料(紅麹、アナトー)
- 「 卵サンド 」保存料( ポリリジン )→ なし
- 「 チーズサンド 」保存料( ソルビン酸 )→ なし
など、食品への添加物の使用が変わってきています。
一部のコンビニが食の安全の取り組みを始めた当初、ニュースリリースでは「 消費者の健康志向に応える商品開発の必要性から、様々な検討をしてまいりました 」と、語っていました。
もしかしたら「 消費者が健康に悪そうな添加物の名前の入った商品を買わなくなってきたので、これを何とかしないとコンビニは生き残れないから対策を考えました 」という意味かもしれませんが、
何とかする方法を、添加物削減のために「 製造→物流→販売 」を見直し、少しでも安全性の高い( と言われている )食品添加物に限って使用を続けているといった姿勢は、評価すべき企業努力だと思います。
毎日のように「 近くて便利 」に頼りきってはいけませんし、コンビニ弁当をずっと食べつつけても心配なしと言っているわけではありませんが、一概に「 コンビニ = 危険 」というレッテルは、少しずつはがしてもいいような気がします。