有機栽培とは?

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「有機栽培」のお野菜は安全で、健康にも美容にも良さそうなイメージありますね!“ 有機栽培 ” と “ 化学肥料を使った慣行農業 ” それぞれの作物の栄養素を比較した研究調査によると、有機栽培の方がビタミン類、ポリフェノールなど11種類の栄養素の含有率が25%高いという結果が出ています。
※慣行農業とは、各地域において農薬・肥料の投入量、散布回数等で相当数の生産者が実施している一般的な農法のことだそうです。(コトバンクより)

農薬や化学肥料が野菜の質を下げている事に、間違いはなさそうです。

農薬、化学肥料って少し怖いイメージがあります。逆に有機野菜は安全というイメージで少し値段は高いけれど、家族の健康を考えて有機栽培野菜を買っている、という人が多いと思います。

しかし。有機栽培野菜は本当に安全なのでしょうか。

実は化学肥料だけでなく、有機肥料にもそれぞれ問題があるようです。※後述します。

「オーガニック野菜」「有機栽培野菜」「有機野菜」と書かれているだけで、安心・安全である、栄養価が高く身体に良い、美味しい、というイメージを持ちやすいですが、そう書かれている野菜がどのようなものなのか?を、きちんと理解していない人が多いです。管理人こぶたを含めて。

なのでここでは、有機野菜の安全性と正しい野菜の選び方について勉強したいと思います。

目次

有機栽培とは

有機野菜の「有機」は、有機物や有機体など自然界に元来存在するもの、生命力・生活機能を有する、という意味です。

有機栽培は化学的に作られた化学肥料や農薬を使わず、有機肥料を使って栽培しているのだろう・・・という想像は容易いですが、指定の農薬のみ許されているなど「無農薬」とは違うものです。

また有機野菜と名乗るには、有機JAS認定が必要であることから、有機肥料なのか化学肥料なのか?というより「有機栽培だと認定された野菜」という意味合いが強いようです。

ちなみに、有機栽培と有機栽培野菜、オーガニックは同じ意味です。

どこで買えるのか?というと、最近では通常のスーパーでも多く見かけます。高品質志向のデパートの方が多いかもしれません。

専門店はまだ少ないですが、スーパーの一角に「有機野菜コーナー」が設けられていたりします。プレートやシールに有機栽培、オーガニックと書かれているか、オーガニックマークがついています。

有機JASマーク

「有機野菜」と表示できるのは有機JAS認定の野菜のみ

現在の日本で、「有機野菜」「オーガニック野菜」と表示できるのは、実は農林水産省「有機JAS」認定を受けたものだけです。

“ 太陽と雲と葉っぱ ” がモチーフのマークがついた野菜や加工品を店頭で見たことはありませんか?このマークが、有機野菜・有機食品であることを証明するマークです。農林水産省の認証を受けることで表示ができるようになります。

有機JAS規格を満たすには次のような条件が必要です。

  • 農薬や化学肥料は原則使用しない
  • 単年作物(ほうれん草等)で2年以上、永年作物(玉ねぎ等)で3年以上、禁止されている農薬や、化学肥料を使わず栽培している野菜である
  • 畑、施設、用具に農薬・化学肥料の混入・飛散がない
  • 遺伝子組み換え野菜ではない
  • 農薬に頼らず害虫防除を行っている
  • 農作物の栽培によって環境を壊さない
  • 有機農作物生産者は、生産から出荷までの生産工程管理・格付数量などの記録を作成

認証を受けるには農林水産省に、ただ「使っていませんよ」と申請するのではなく、まずは有機JASの認定条件を満たした事業所であること、プロセスの認定、畑の(ほ場)の認定など複雑な作業が必要になります。

有機JASを名乗りたい農家は講習を受けたり、作業の行程を記録したり、畑のチェックを受けたりと大変な行程をこなさなければない上に費用もかかります。

これらを得てようやく、野菜に「有機JAS」マークをつけることができるようになります。

つまり「有機JAS」マークは野菜に与えられるものでなくて、農家に与えられるものなのです。

有機野菜=農薬を使わない野菜、は間違い

厳しい基準を満たした有機JAS認証の野菜ですが、すべての農薬や化学肥料を使っていないというわけではありません。「農薬や化学肥料は原則使用しない 」にある通り、原則として農薬や科学肥料を使ってはいけないことにはなっていますが、急な病気や虫が入ってしまったなど、やむを得ない時に限り30種類程度の農薬を認めています。

農家の生計を守るための特別な措置でもありますが、有機野菜=農薬・化学肥料を使っていないわけではない、ということは私達が知っておくべき事項です。

「有機JAS」認証を受けてないのに、有機野菜?

認定を受けない限り「有機野菜」と表示できないにも関わらず、時々認証を取っていないままに「有機栽培ほうれん草」「有機栽培ダイコン」などの表示をしたものがあったり、勝手にオーガニック野菜と表示している生産者もいるようですが、実はあれは法律上違反です。

もし間違った表示を直すように命令しても表示を変えない場合、罰金が課されることになります。

これは一般の人に限らず、農家の人も「有機野菜とは何か」という事をよく分かっていない人が多いという事が要因に挙げられるそうです。

しかし中には、証明となるものが存在しないため、生産者または販売者側で情報操作して自称オーガニックとしている場合や、農薬を使っていてもオーガニックと謳って流通販売している悪質なケースもあり、消費者にそれを見極めろと言われても困難です。

逆に、栽培で化学肥料や農薬を使っていなくても、認証行程が複雑な為に認証を取らない、もしくは取れない農家も結構いるようです。

有機JASマークを取る為にはお金も時間も人材も必要。結果、「有機」と名乗れない・・・。せっかく頑張って安全な野菜を作っているのに、私達がそれを見付けられないのは残念です・・・。

ただしこのような場合、「有機」という言葉は使えませんが、「農薬・化学肥料不使用」「特別栽培農産物(栽培期間中農薬不使用)」といった表示はできます。農薬や化学肥料を使わない野菜を選びたい人は「有機野菜」だけでなく、こういった表示を目印に選ぶといいです。

エコファーマーや特別栽培農産物って??

こちらもスーパーなどでよく見る表示です。この表示にはどんな意味があるのでしょうか。

エコファーマーとは

環境に優しい農業をしている農家さんが、自分の住んでいる都道府県に計画を出し、知事に認定してもらうことで名乗ることができるものです。

栽培方法としては、化学肥料を30%以上減らし、化学合成農薬も減らす計画に基づくものに認定がおります。

特別栽培農産物

こちらは農家さん単位でなく、各野菜につけるものです。栽培方法としては、化学肥料や化学合成農薬を、住んでいる都道府県の慣行栽培方法(普通の栽培方法)より50%減らして作られた野菜を指します。

化学肥料や農薬を使わない、もしくは減らした野菜については、都道府県別に基準があるところもあります。自分の住んでいる都道府県の農業マークを一度確認してみると、野菜の選び方にも磨きがかかるかもしれません。

実は「無農薬」という表示もNG

ここでは、「無農薬」ではなく「農薬や化学肥料を使わない」という表現を使っています。これは、有機JAS法では「無農薬・無化学肥料」という表示を禁止しているからです。

無農薬野菜とは、野菜に農薬が一切検出されないもののことを言います。

栽培に農薬や化学肥料を使っていなくても、隣の田畑より飛んでくるかもしれないし、田んぼ上流から水路を経て流れ着くかもしれません。それが原因で野菜から残留農薬が検出されてしまう可能性も実はあります。

「無農薬・無化学肥料」という表示では、消費者に農薬が一切検出されない野菜だと「優良誤認」させる可能性があるため、この表示を禁止しているようです。

ここまでのまとめ

ここまで、有機栽培野菜はどんなものか?についての説明でした。もし本気で農薬や化学肥料を避けたいと考えるのであれば、有機野菜ではなく「農薬・化学肥料不使用」を選ばなければいけないことが分かりました。

次のページではさらに有機野菜について気になることがあったので紹介します。「 有機肥料の危険性 」についてです。

>>「 有機肥料の危険性 」を読む

 

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