MCTオイルをご存知ですか?
これまでココナッツオイルやオリーブオイル、亜麻仁油など、様々な油脂の実態と健康・ダイエット効果について書いてきました。今回はまだ耳慣れないMCTオイルがどのようなものなのか説明します。
中鎖脂肪酸100%のMCTオイル
MCTオイルのMCTとは、「MediumChainTriglyceride」の略です。これは中鎖脂肪酸のことであり、MCTオイルとは中鎖脂肪酸100%で構成された油脂のことです。中鎖脂肪酸とは、ココナッツオイルの記事でも触れたように、素早くエネルギーに変わり体内に脂肪として蓄積されにくい種類の油です。
MCTオイルの効果とは?
体脂肪が増えず、減少する効果
MCTオイルを構成する中鎖脂肪酸は摂取してからすぐに肝臓に運ばれ、エネルギーへと変わります。そのため体内に余分な脂として蓄積されることが少ないです。
一般的なダイエットでは脂質の摂取は控えるべきとされていますが、ここで指す油とは長鎖脂肪酸に分類される油のことです。長鎖脂肪酸は牛脂や豚脂、揚げ物に使うコーンや菜種油を指します。長鎖脂肪酸は肝臓にたどり着くまでに静脈やリンパ管、筋肉を通るため、エネルギーに変わるまでに時間がかかり、余分に余ったものが体脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。そのため体脂肪になりやすく、敬遠される油なのです。
さらに、MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、肝臓で分解されるとケトン体を合成します。ケトン体とはブドウ糖に並ぶエネルギー源で、体内のブドウ糖が不足したときに代わりになるエネルギーです。
通常はケトン体がエネルギーになるのはブドウ糖が不足した飢餓状態のときのみですが、MCTオイルを摂取すれば中鎖脂肪酸がブドウ糖を温存させたままケトン体をつくり、ケトン体をエネルギーとする体に切り替えてくれるのです。体脂肪を分解してケトン体は合成されるので、体のエネルギー源がケトン体に変われば、体脂肪が常に栄養源として分解され減少することになります。
食欲を抑えるはたらき
MCTオイルを摂取して肝臓でケトン体がつくられると、ブドウ糖を使わなくても体を動かすことができるようになります。これにより血中のブドウ糖が減らずに温存され、血糖値が安定します。血糖値が低下してしまうと脳からは空腹であると信号が出されるため、食欲が刺激されてしまい、そんなにお腹が空いていない場合やエネルギーがすべて消化され切っていない場合でも食事をとってしまいます。つまりケトン体が作られるということは、ブドウ糖を温存して無駄な食欲を防ぐことができるのです。
甘いものや炭水化物を食べると血糖値が激しく上昇、その後低下すると繰り返し食欲が刺激されるため、非常に良くないサイクルとなりますが、ケトン体をエネルギーにするケトン体質になることで、このサイクルを断ち切ることができます。
脳神経疾患や発達障害の改善
MCTオイルと摂取して合成されるケトン体は、脳神経のエネルギー源にもなります。これにより代謝が改善され、体の細胞を錆びさせて老化させる活性酸素からも脳を守るため、アルツハイマーや認知症、脳卒中のリスクも減らすことができます。
集中力の持続
血中のブドウ糖を安定させることにより、食後の急激な眠気を防ぎ、集中力を持続させることができます。
肌に嬉しいアンチエイジングの効果
MCTオイルを摂取して合成されるケトン体を構成するβヒドロキシ酪酸は、活性酸素を取り除く抗酸化酵素が含まれています。肌の細胞内で活性酸素が増加すると、肌のハリと弾力を保つコラーゲンとエラスチンが破壊され、しわやたるみの原因に。
また、シミの原因となるメラニン色素の生成も活性酸素によるものなので、この抗酸化作用でシミの生成を防ぐこともできます。活性酸素は乱れた食生活や生活習慣、ストレスで簡単に発生してしまうものなので、スキンケア以外に体の内側からのケアが非常に重要です。
MCTオイルの摂取方法
加熱は不向き。そのままの状態で摂取して!
MCTオイルは沸点が約160℃と非常に低い油です。炒め物や揚げ物の油として使用してしまうと煙がでるため、摂取の際はそのままがオススメです。コーヒーに入れたり、パンに塗ったり、ドレッシングやマヨネーズの油として摂取するのが良いです。
MCTオイル自体はほぼ無味無臭のため、他の食品の味を邪魔することはありません。
摂取量に注意
MCTオイルの摂取量は1日大さじ2杯まで。油であることに変わりはないので、MCTオイルを摂取した時は他の食事から摂取する油分を控えましょう。
保存方法
保存の際は直射日光に注意し冷暗所で保管。開封から1~2か月以内に使い切るようにしましょう。空気による酸化には強く含む水分量も少ないため、カビが生える心配はありません。常温で常に液体のため、扱いやすい油です。
健康効果の高いMCTオイル、管理人こぶたは【完全無欠コーヒー】で!!
脂肪として蓄積されにくく、逆に脂肪を燃焼させてくれるMCTオイルは、ダイエット以外にも良い効果があります。病院でも患者さんの食事に積極的に使われている油なんだそうです。
最近では完全無欠コーヒーの材料として有名になりました。管理人こぶたは完全無欠コーヒーのファンです。少し前、このコーヒーが飲めるお店も出てきましたね。一杯700円ちょっとだそうです。自分で作るにしても少しコストのかかるコーヒーですが、このコーヒーを使った半日断食は大成功。しかし暫く続けると油っぽさに嫌気がさしてしまいます。適度な間隔を保ちつつ長く続けたい健康習慣ではあります。
https://www.kouso-navi.net/20160610/