「きのこ」とは
秋の味覚のイメージがある「きのこ」ですが、実は一年を通じて生えており、季節を問わず見つけることができます。
きのこは「木の子」と記す通り、木に生えているのをよく見かけます。そのため、植物だと思っている人が多いのですが、きのこは植物ではありません。
きのこは分類学上は菌類となっており、胞子(生殖細胞)によって繁殖しています。
私達がきのことして食しているのは、この胞子を作り出す「子実体(しじつたい)」と呼ばれる部分です。
菌類は、菌糸と呼ばれる菌類を構成するための糸状の細胞から成っています。
菌糸は乾燥や熱に弱いため、通常は土中や落ち葉に隠れて栄養分を摂取していますが、温度や湿度などの条件が揃うと子孫を残すために集合して子実体を作ります。
子実体の大きさは菌の種類などによってまちまちですが、何㎜以上の大きさがあれば「きのこ」と呼ぶなどの定義は今のところないので、目視で判断できればそれはすべて「きのこ」と呼んでもよいそうです。
きのこの種類
きのこは日本で3,000~5,000種、世界では75,000種ほどに名称が付いていますが、推定では世界に1,500,000種類以上存在すると考えられており、今でも毎年1,000種類以上のきのこを含む菌類が発見されています。
食用きのこと毒きのこ
日本で見つかっているきのこのうち、食用は100種類程度と言われています。一方、毒きのこは200種類以上。食用よりも断然毒きのこが多いです。
毎年、きのこ狩りで採ってきたきのこを食べて食中毒になる人が後を絶ちませんが、きのこについては専門家でもよくわかないことが多いと言われています。
例えば、色が鮮やかなものは毒きのことよく聞きますが、これも一概には言えないそう。そのため、きのこについてはよく知っている種類以外は、安易に採って食べない方がよいです。
きのこは山菜とは限らない
日本では、きのこ狩りは山奥の、人があまり入らないところに行くのが一般的ですが、世界には砂漠や雪の下に生えるきのこがあります。
一般的なきのこの種類と、その栄養素や効果
きのこは低カロリーの上、食物繊維が豊富に含まれているので、ダイエットや健康の維持に役立ちます。食物繊維には、腸内環境を整えて便秘解消などの働きがある他、血糖値の上昇を抑える効果があります。
また、きのこは価格の変動が比較的少ないので、家計を預かる主婦にとってはお助け食材と言えます。
料理に加えることでダシが出るので、塩分を少なくできることもメリットのようです。
きのこは一石二鳥どころか三鳥も四鳥もある食材です。
これらの作用は、特定のきのこに限ったものではなく、きのこ全般に言えること。
ここではさらに、スーパーでよく見かけるきのこについて詳しく調べてみました。
しめじ
しめじは本来、“本しめじ”を指す名前ですが、スーパーで一般的に売られているのは“ぶなしめじ”と呼ばれる種類です。
本しめじは「香り松茸、味しめじ」と謳われるほど味が濃く豊かなのですが、天然物の採れる量が少なく、人工栽培も難しいことから、栽培が容易なぶなしめじが現在はしめじとして取り扱われることが多くなっています。
ぶなしめじは、味は本しめじに及ばないものの、その分癖がなくきのこ独特の味や香りが苦手という人でも食べやすいと言われています。
また、軸がしっかりとしているので、噛み応えがあるのも特徴です。
ぶなしめじに含まれる栄養素
ビタミンD、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、リジン(必須アミノ酸)、カリウム、鉄、亜鉛、銅など。
ぶなしめじの健康、美容、ダイエット効果
しめじに多く含まれているビタミンDは、カルシウムが骨に吸着するのを助ける働きがあることから、骨粗しょう症予防や改善に効果があると言われています。
ビタミンB1は糖質の代謝に、ビタミンB2は脂質の代謝に関わっているため、これらが不足すると代謝が下がって太りやすくなると言われています。
さらに、ぶなしめじにはレクチンと呼ばれる特有の成分や、チロシナーゼ阻害物質が含まれています。レクチンには食欲を抑える働きがあるため、ダイエット効果が期待できます。
チロシナーゼはメラニンに働きかけてシミやそばかすを作る物質なので、その働きを抑えることで美肌効果が期待できます。
調理方法・お勧めの食べ方
ぶなしめじに限らず、きのこ類を調理する時はさっと水洗いをするか、濡らしたキッチンペーパーで汚れを拭きとるだけにします。流水でしっかりと洗ってしまうと、栄養素が一緒に流れ出てしまうためです。
ぶなしめじは和洋中どのような料理にも合いますが、旨味をアップさせたいなら3~4日ほど天日干しにするのがお勧めです。天日干しにすることで、味が濃くなるだけではなく、ビタミンDの含有量がアップします。
ビタミンDは脂溶性ビタミンなので油で炒めると体内の吸収率がよくなりますが、ビタミンB群(B1、B2、B6、ナイアシン、葉酸)は水溶性ビタミンのため、煮物や汁物にする時は煮汁ごと一緒に頂くようにすると、流れ出た栄養素を無駄なく摂ることができます。
摂取に関する注意
ビタミンDは適量の摂取であれば体によい効果を与えますが、過剰摂取すると骨に貯蓄されているカルシウムが溶け出してしまい、高カルシウム血症を引き起こす恐れがあります。
ぶなしめじの一日の摂取量の目安は100g(市販の一袋分)となっているので、いくら体に良いからと言って一度に食べ過ぎないように注意しましょう。
舞茸
舞茸は自然の中では見つけるのが非常に困難のため、見つけた人が思わず舞を踊ってしまいたくなるほど喜ぶ様子から、その名前が付けられたと言われています。
しかし、しめじ同様、天然の舞茸はほとんど流通しておらず、スーパーに並んでいるのは菌床栽培や原木栽培によって作られた品種です。
味や香りは天然の舞茸に及ばないとされていますが、人工栽培の舞茸にも健康やダイエットによい成分が含まれており、舞茸独自の舌触りや食感を好む人は多くいます。
(以後は菌床栽培の舞茸について書いています)
舞茸に含まれる栄養素
エルゴステロール、ナイアシン、MDフラクション、カリウム、鉄分、ビタミンB1など。
舞茸の健康、美容、ダイエット効果
エルゴステロールは、体内でビタミンDに変換される成分です。そのため、舞茸には骨や歯を丈夫にする働きがあると言われています。
また、ナイアシンやビタミンB1には皮膚や粘膜の再生や修復を促す作用があり、肌荒れの改善効果が期待できます。
MDフラクションは舞茸特有の成分で、近年、ガンの抑制効果があることがわかってから、注目を集めています。ガンなどの細胞を退治するNK(ナチュラルキラー)細胞やマクロファージの働きを活性化する作用があり、免疫力を高めてガンを抑制する効果が期待できると言われています。
調理の仕方やお勧めの食べ方
舞茸に含まれる栄養素を逃さないために、水洗いはさっと流すだけにしましょう。
また、栄養素が溶けだした煮汁ごと頂けるスープや鍋がお勧めですが、舞茸にはエンドペプチダーゼというたんぱく質分解酵素が含まれているので、お肉を焼く前に細かく刻んだ舞茸をまぶしてラップをし、2時間ほど冷蔵庫で保存すると硬いお肉でも柔らかくなります。
お肉を焼く時に舞茸を一緒に焼くと、舞茸の旨味もプラスされて美味しく仕上がります。
摂取に関する注意
舞茸の摂取量は一日30~50gが目安です。
食べ過ぎてしまうと、食物繊維の働きによって腹痛や下痢を起こすことがあるので注意して下さい。
エリンギ
エリンギはヨーロッパ原産のきのこで、エリンジウムという植物に生えることからエリンギと呼ばれています。
ヨーロッパでは自生していますが、日本では天然物のエリンギは存在しないので、スーパーに売られているものはすべて人工栽培によるものです。
歴史もまだ浅く、1993年に愛知県林業センターで人工栽培されたのが始まりと言われていますが、癖のない味と、切り方によって変わる食感(縦に切るとプリッとした歯応えとなり、横に切るとコリコリとした歯触りになります)によって瞬く間に人気となり、今となっては食卓に欠かせないきのこの一つと言われるようになりました。
エリンギに含まれる栄養素
食物繊維、ビタミンB群、カリウム、オルニチン、ギャバなど。
エリンギの健康、美容、ダイエット効果
きのこには種類を問わず食物繊維が多く含まれていますが、中でもエリンギはその含有量がトップクラスと言われています。
食物繊維は繊維という名の通り、腸内で有害物質などを絡めとり、便として排出する働きに優れているだけではなく、腸内環境を整える善玉菌のエサとなるため、腸の調子を整える効果が期待できます。
また、エリンギにはビタミンB2やB6、ナイアシン、ビオチンなど、皮膚の再生や修復に関わる成分が多く含まれているので、美肌作りにも役立ちます。
さらに、肝臓の機能を高めるオルニチンや、神経の興奮を抑え、リラックス効果が期待できるGABA(ギャバ)など、エリンギ特有とも言える成分も多く含まれています。
調理の仕方やお勧めの食べ方
エリンギは切り方によって食感が大きく変わるきのこなので、料理に合わせて切り方を変えるのがよいです。
野菜炒めなどの炒め物に使う場合は、縦にやや薄く切るのがお勧めです。もう少し厚く切ると食べ応えがアップするので、天ぷらなどの料理に向いています。
横に輪切りにすると、ほたてやあわびなどの貝類の食感に似ると言われています。バター醤油で炒めると、エリンギだけで一品料理が作れます。
同じ縦に切る方法でも、手で割くと切り口に凹凸が生まれ、ソースなどはしみ込みやすくなります。パスタなどの料理に使うと最適です。
摂取に関する注意
日本最大手のきのこメーカーでは、エリンギは洗わずにそのまま使うことをお勧めしています。
洗うとエリンギに含まれている成分が流れてしまうので、おがくずが付着している場合は手で払って使うようにします。
えのき
えのきは、落葉樹の一種である榎(えのき)の切り株や朽ちた後に多く生えることから”えのきたけ”と呼ばれていますが、煮るとぬめりが出ることから“なめたけ”や、雪に埋もれた冬に生えるため“ゆきのした”とも呼ばれます。
ただし、これらはすべて天然のえのきのことを指しています。
一般的にえのきと言うと白くて細長いきのこを想像しますが、実はこのえのきは人工栽培によるもので、天然のえのきは黄色を帯びた広い傘が特徴で見た目はまったくの別物です。
しかし、天然物のえのきは希少価値が高く、スーパーではほとんど流通されていません。
そのため、ここでは人工栽培のえのきについて記載しています。
日本では人工栽培されているきのこの中で、最も生産量が多いのがえのきです。
えのきは、ほんのりとした甘い味としゃくしゃくとした食感で、きのこが苦手という人でも食べやすいです。
えのきに含まれる栄養素
ビタミンB群、キノコキトサン、エノキタケリノール酸など。
えのきの健康、美容、ダイエット効果
キノコキトサンは、多糖類の植物性キトサンやβグルカンが含まれる食物繊維の一種です。きのこ類全般に含まれていますが、中でもえのきは特に含有量が多いと言われています。
キノコキトサンには食物繊維と同様に便秘を解消する働きがありますが、これ以外にも脂質が多く含まれる食物と一緒に摂取すると、食物に膜を張った状態にして脂質の吸収を抑える効果があります。
また、えのき特有の成分であるエノキタケリノール酸は、内臓脂肪を減らす効果があることが近年わかっています。
調理の仕方やお勧めの食べ方
えのきは細胞壁がとても頑丈のため、通常の調理では有効成分であるキノコキトサンやエノキタケリノール酸が摂取しにくいと言われています。
そのため、細胞壁を壊して摂取しやすい状態にするのがよいです。方法には次の2通り。
- 乾燥させる
しめじや舞茸のように天日干しでしっかりと乾燥させることで、細胞壁が壊れやすくなります。さらに、細かく刻むとより有効成分が体内に吸収されやすくなります。
- 凍らせる
えのきと水を入れてミキサーでペースト状にしたものを鍋で煮詰め、製氷機に移して氷にします。
味噌汁やスープを作る際に加えると、細胞壁が壊れた状態のえのきを摂ることができます。
摂取に関する注意
生のえのきに含まれているフラムトキシン(たんぱく質の一種)には、強心作用や溶血作用があると言われています。
生のままえのきを食べるとフラムトキシンを摂取してしまうことになるため、えのきは必ず加熱調理をしてから食べるようにしましょう。
(加熱するとフラムトキシンは熱に弱いので消滅します)
しいたけ
日本で最も知名度の高いきのこと言えば、しいたけです。
和食のダシにもよく使われ、煮物や鍋、天ぷらなど多種に及んだ調理方法で食されています。
しかし一方で、しいたけには独特の味や香りがあるため、嫌いな野菜ランキングで上位になることが多いです。(実際にはしいたけは野菜ではありませんが)
しいたけに含まれる栄養素
ビタミンB群、ビタミンD、カリウム、レンチナン、エリタデニンなど。
しいたけの健康、美容、ダイエット効果
しいたけとマッシュルームにしか含まれない特有の成分であるエリタデニンには、血中のコレステロールの排出を促す作用があるため、血管の詰まりを改善して血圧抑制効果や、高血圧、動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果があると言われています。
また、レンチナンはβグルカン(多糖類)の一種で、NK細胞の働きを活性化して免疫力を高め、ガンの抑制効果があると言われています。
調理の仕方やお勧めの食べ方
しいたけ嫌いの人が多い理由の一つに、しいたけの栽培方法や乾燥方法があります。
これらが適切に行われていないと、しいたけ本来の旨味が薄くなり、結果として独特のえぐみを感じやすくなるからです。
しいたけを選ぶ時は、菌床栽培よりも原木栽培のもの、さらに天日でしっかりと乾燥させている物を選ぶのがよいです。
子供のしいたけ嫌いを克服させるために、細かく刻んで料理に混ぜ込むことがありますが、この場合しいたけが入っていることがわかると、ますます嫌いな気持ちを加速させてしまいがちです。
生のしいたけよりも乾燥させたしいたけの方が栄養素の含有量が高くなりますが、原木栽培で収穫したての生のしいたけを、炭火などで焼いてしいたけそのものの味を食べさせた方が、しいたけ嫌いを克服しやすくなるそうです。(管理人こぶたも正にこの方法で、しいたけ嫌いを克服しました。)
摂取に関する注意
しいたけに含まれるエリタデニンには、昔から血圧を下げる薬効によって漢方に用いられているため、大量摂取に摂取すると低血圧を招くことがあります。
また、食物繊維や食物繊維に似た働きをする多糖類も、一度に大量に摂ると腹痛や下痢の原因んになるので注意して下さい。
なめこ
味噌汁の具に重宝するなめこですが、こちらも天然物はほとんどスーパーに出回っておらず、菌床栽培が主流となっています。
ぬるぬるとした食感やツルッとした口当たりが特徴的で、きのこ嫌いが多い子供さんでもなめこなら食べられる場合も多いようです。
なめこに含まれる栄養素
カリウム、ナイアシン、パントテン酸、コンドロイチン、βグルカンなど。
なめこの健康、美容、ダイエット効果
なめこに含まれるβグルカンは多糖類の一種で、免疫力の向上や、胃の粘膜を保護する働きがあります。
また、ナイアシンやパントテン酸は皮膚や粘膜の健康維持に関わっており、コンドロイチンは保水性を高める作用があるため、肌の弾力を維持して潤いやハリを与える効果が期待できます。
調理の仕方やお勧めの食べ方
なめこのぬるぬるには栄養成分が含まれているので、調理する時にはさっと洗い流す程度で下準備を行います。
なめこは一般的に味噌汁の具材として使われることが多いですが、炊き込みご飯やパスタの具材として使うのもお勧めです。
たくさん買って余った時は冷凍保存しておくと便利です。
摂取に関する注意
大根おろしなどに添えられているなめこは、加熱調理済のものです。
なめこは袋から出して、そのままでは使えません。
食中毒の可能性があるので、必ず加熱調理をしてから食べるようにしましょう。
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松茸
松茸は高級食材として知られ、なかなか通常の食事には使用しないきのこです。
中でも国産は希少価値が非常に高く、加えて今現在まで人工栽培の方法が確立されていないため、一本が5,000~7,000円が相場とされており、質がよいものだと10,000円を超える場合も珍しくありません。
一方で外国産の松茸は国産よりも比較的安価で売られており、食べたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
「香り松茸、味しめじ」という言葉から、松茸は香りだけというイメージが付いていますが、含まれる栄養素が多く、他のきのこ類と同様に様々な効果が期待できます。
松茸に含まれる栄養素
ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、カリウム、マツタケオール、ケイ皮酸メチル、鉄など。
松茸の健康、美容、ダイエット効果
松茸独特の香りは、マツタケオールとケイ皮酸メチルという2つの成分によるものです。
これらには消化酵素の分泌を促す働きの他、近年はガン予防に効果があるとして研究がおこなわれています。
また、松茸にはカリウムも多く含まれています。カリウムには体内の余分な塩分を水分と一緒に排出する働きがあるため、高血圧やむくみなどの予防に効果があると言われています。
調理の仕方やお勧めの食べ方
松茸の香りを損なわないためには、洗わずに食べた方がよいと言われていますが、軸の部分に虫が食っている場合があります。(黒い点に見えます)そのような時は、食塩水に軸の部分を浸けておくとよいです。
松茸の香りや味をシンプルに味わいたいなら、やはり網焼きがお勧めです。
石づき部分を削った後、軸方向に縦に割くようにすると、松茸の香りがたちやすくなります。
摂取に関する注意
極端に鮮度の落ちた松茸は、アミノ酸がヒスタミンやフェニルエチルアミンに変化します。
ヒスタミンやフェニルエチルアミンは有毒成分のため、摂取すると下痢や腹痛などの中毒症状を起こすことがあります。
また、外国産の松茸のうち、中国や韓国、北朝鮮産は日本の松茸と同じ種類ですが、欧米の松茸は種類が違うため、今回紹介した成分が必ず含まれているわけではありません。
ひらたけ
ひらたけは、かつては「本しめじ」や「しめじ」として売られることが多かったのですが、最近はひらたけとしてスーパーに並ぶようになりました。
そのため、歴史の浅いきのこと思われているのですが、平安時代から食されていた歴史の長いきのこの一つです。
傘が肉厚でジューシー、風味や旨味が強いため、松茸よりも美味しいという声も聞くほどですが、天然物はやはりほとんど出回っておらず、スーパーでは菌床栽培されたものが主に売られています。
ひらたけに含まれる栄養素
ビタミンB群、ビタミンD、カリウム、βグルカンなど。
ひらたけの健康、美容、ダイエット効果
βグルカンによる免疫力の向上や、ビタミンB群の美肌、ダイエット効果、カリウムのむくみや高血圧の予防などが期待できます。
また、ビタミンB群の一種であるナイアシンが多く含まれていますが、ナイアシンには二日酔いの原因となるアセドアルテヒドの分解を促す働きがあることから、二日酔いの改善にも効果があります。
調理の仕方やお勧めの食べ方
水分が多く含まれるので、炒め物に使う時は強火で一気に加熱するのがよいです。
鍋や煮物などの和食に合いますが、バターやオリーブオイルでソテーをしても美味しく頂けます。
摂取に関する注意
他のきのこと同様に、一度に大量に食べると食物繊維やβグルカンの過剰摂取となり、下痢や腹痛などを起こす恐れがあります。
きくらげ
中華料理でよく見かけるきくらげは、一般家庭の食卓では登場回数は少ないきのこかも知れません。
しかし最近は乾燥きくらげではなく、生のきくらげを取り扱うスーパーが増えており、コリコリ、ぷりぷりとした生ならではの食感と癖の少ない味で、じわじわと人気が広がっています。
きくらげに含まれる栄養素
ビタミンB群、ビタミンD、カリウム、カルシウム、鉄分など。
きくらげの健康、美容、ダイエット効果
きくらげのビタミンD含有量は、きのこ内だけではなく全食品の中でもトップクラスを誇ります。
ビタミンDには骨や歯を丈夫にする働きがあるため、骨粗しょう症の予防にはビタミンDを意識して摂取するのがよいです。
また、他のきのこ類に比べてカルシウムも多く含まれています。
食物繊維も全食品中で2番目に多いので、便秘解消や血糖値の抑制など、様々な効果が期待できます。
調理の仕方やお勧めの食べ方
乾燥したきくらげは水で戻してから使います。生のきくらげはサラダなどに加える時は、軽く湯通ししたものを使います。炒め物に使用するなら、そのまま炒めて構いません。
きくらげは中華料理によく合う食材ですが、和食の天ぷらでも美味しく頂けます。
ただし、調理の際には、破裂しないようにきくらげにフォークを刺して穴を開けておきます。
摂取に関する注意
きくらげを含むきのこ類は生食できません。必ず加熱して摂取します。
その他、きのこに纏わる話
きのこには、漢方の生薬として利用されてきた長い歴史があります。
有名なところでは霊芝(レイシ:マンネンタケ科の一年生のきのこ)があり、本草綱目(中国の著名な薬学書。1578年に完成したとされています)にも掲載されています。
霊芝以外では、茯苓(ブクリョウ:サルノコシカケ科の一種)や冬虫夏草(トウチュウカソウ:蛾の幼虫に寄生するきのこの一種)などがあり、聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
日本ではアガリスク茸が、健康効果が高いきのことして有名です。
アガリスク茸は和名をヒメヒラタケと言い、古い文献にもその薬効が記されていたとされていますが、アガリスク茸の効果が世界的に知られるようになったのは1960年と意外と最近です。
アメリカのペンシルバニア州立大学のシンデン博士らによって、ブラジルのとある地域の住民の健康状態がよいことや長寿について調べてみたところ、アガリスク茸が自生していて住民の多くが常食していたことから、アガリスク茸の効果に注目が集まるようになりました。
アガリスク茸は、他のきのこと同様にβグルカンが含まれていますが含有量が多いことや、抗ガン作用が期待されるエルゴステロールが含まれることが、健康や長寿をもたらす主な理由と考えられています。
デトックスで有名になった南雲先生のキノコ鍋の作り方
テレビ番組や雑誌のインタビューなどで目にする機会が多い南雲先生ですが、今でこそ実年齢を聞いて驚くほど若く見えるものの、昔は太っていたこともあり、実際よりも老けて見られることが多かったそうです。
そのため、南雲先生は食生活を改めることを中心に様々なダイエットを実践しているのですが、その中の一つがきのこをたっぷり使ったデトックス鍋です。
南雲先生のデトックス鍋は、水に味噌とコチュジャンをベースに、ごま油、はちみつでコクを加え、ごぼう一本ときのこ数種類を具材にして煮込んで作ります。
きのこは何でもよいそうですが、南雲先生はしめじ、しいたけ、えのき、エリンギ、舞茸、なめこ、きくらげ、たもぎたけを使っているそうです。