「遺伝子組み換え食品は使用していません」という表記をとても頻繁にみます。特にじゃがいもを原材料に使っている食品などです。あえて「使っていない」と宣言しなくては消費者が心配してしまう程の「遺伝子組み換え食品」とは何なのか?なぜ危険なのか?調べてみました。
遺伝子組み換え(遺伝子操作)とは
遺伝子組み換えは、遺伝子操作「Genetic Modelification(GM)」をいいます。
遺伝子操作は、親から子へ受け継がれる自然の遺伝とは全く異なり、例えば魚の遺伝子を野菜に組み込むなど、遺伝子組み換えを行う企業が遺伝子組み換え技術を使って、人為的に行うものです。
この遺伝子組み換えは、予測のつかない様々な問題が起こる可能性があります。
健康被害の可能性
アメリカでは、GM食品の出現と同時に癌やアレルギーなどの深刻な慢性疾患が急増しています。データだけから遺伝子組み換え食品が悪影響を及ぼしているとは言及できませんが、危険性は高いとみられています。
遺伝子組み換え農業の現状と危険性
遺伝子組み換えを使用する農業は、主に「農薬耐性遺伝子組み換え」と「害虫抵抗性遺伝子組み換え」の2種類があります。
農薬耐性遺伝子組み換えは、特定の除草剤を使用しても枯れないよう遺伝子組み換えをされたものです。
企業は、この遺伝子組み換えを使用することで、使用する除草剤の量を減らすことができると豪語していました。しかし、除草剤の効かない雑草が急増したため、今度は複数の除草剤に耐性のある遺伝子組み換えが開発され、複数の除草剤を混ぜて散布させています。
現在では、毒性の強い枯葉剤(2,4-D)、ジカンバなどの化学物質に耐性のある遺伝子組み換えが開発されて、アメリカ・日本・ブラジルで使用を承認されました。
そのため、さらに危険性の高い農薬を広範囲に散布される可能性があり、懸念されます。
もう一つの害虫抵抗性遺伝子組み換えは、土壌細菌のバチルス・チューリンゲンシスのBt遺伝子を使い、昆虫が作物を食べることで腸が破壊されるBt菌を作りました。
この遺伝子組み換えにより、殺虫剤を使用する必要がなくなるとされていました。しかし除草剤耐性の遺伝子組み換えと同様に、Bt菌が効かないスーパー害虫(スーパーワーム)が出現しています。
このことにより、ブラジルでは2013年に1,000億円の被害が出ており、政府が認可していない農薬の使用がされるなど問題となっています。
遺伝子組み換えのほとんどの種子は、蜂を大量死させるネオにコチノイド系の農薬によって処理されています。このように遺伝子組み換えはあらゆる面で、環境を破壊する重大な要因となっています。
遺伝子組み換えによる様々な被害
農薬耐性遺伝子組み換え作物は、除草剤を散布しても枯れないため、飛行機を使って除草剤を空中散布します。そのため、風で飛んだ農薬が、近隣の非遺伝子組み換え作物の畑にかかって、作物が枯れるという被害が出ています。
また、まかれた除草剤が地下水を汚染し、除草剤が散布されている周辺地域の住民に健康被害が出ています。
アルゼンチン、コルドバ州のトゥザインゴ・アネクソでは、癌がアルゼンチン国内の平均値よりも41倍発現し、その他にも白血病、肝臓病、アレルギーなど重篤な病気の発現が報告されています。
その他にも遺伝子組み換え作物の耕作地域では、母親の母乳や子供の尿から高いレベルの濃度の農薬が検知されています。
また、魚や鳥の死滅も報告されています。
モンサント社ラウンドアップ耐性遺伝子組み換えの危険
ホームセンターの棚一面に陳列され売られているモンサント社の除草剤、ラウンドアップですが、JAが推奨しているとのことで、多くの人がこの商品の安全性を疑わず購入しています。最近では、モンサント社と住友化学がタイアップをして、ラウンドアップとラウンドアップ耐性の遺伝子組み換えの種子をセットで販売しています。
世界中でも、最も使われているモンサント社のラウンドアップですが、土壌の有用微生物を破壊するという研究報告があり、2015年3月20日WHOの外部研究機関、国際がん研究組織(JARC)は、ラウンドアップを「おそらく発がん性がある物質」(2A)に分類しました。
遺伝子組み換えの見えない怪異
科学は、遺伝子の構造を解析することができましたが、遺伝子の機能など、まだほとんどのことがわかっていません。
それにもかかわらず、遺伝子を人為的に操作して自然界に存在しない遺伝子を作り、それが従来の作物と自然交配して、遺伝子組み換えの汚染がどんどん拡大し、予測のつかない危険を引き起こす可能性があるといわれています。遺伝子組み換え技術は、不安定で未熟なもので、人が制御できない危険をもたらす可能性があります。
日本人は遺伝子組み換え食品を世界一食べている
ヨーロッパでは流通規制が厳しいため、遺伝子組み換え食品はほとんど流通していません。しかし、日本は規制が緩いため、家畜の飼料、スナック菓子、植物油など加工原料としてどんどん入ってきています。
日本で認証されて流通している作物は、大豆、とうもろこし、菜種、じゃがいも、綿実、てんさい、アルファルファ、パパイヤの8品目です。(その中で、実際主に流通しているのは、とうもろこし、大豆、菜種、綿実の4品目です)
この8品目と、8品目を原料とする32種類の加工食品(豆腐・納豆・きな粉・みそ・コーンスナック菓子・ポップコーンなど)に遺伝子組み換えの表示義務があります。
しかし、日本の法律では、原料の含まれる量が5%以下であれば「非遺伝子組み換え」と表示できるようになっているのです。
表示されていない遺伝子組み換え食品
- 遺伝子組み換え飼料を食べて育った家畜品
- サラダ油、植物油、ショートニング、マーガリン、マヨネーズ
- 醤油
- コーンシロップ、果糖、ブドウ糖
- コーンフレーク、醸造酢、醸造用アルコール
このように遺伝子組み換え食品は、調味料、カップラーメン、スナック菓子など様々な加工食品に姿を変えて添加されています。
「異性化糖」に要注意
「異性化糖」とは、果糖ブドウ糖液糖などと呼ばれる人工甘味料のことです。この異性化糖は、とうもろこしなどのデンプンを原料として作られたもので、安価なため加工食品にはほとんどといっていい程使われています。
異性化糖は砂糖が、ブドウ糖と果糖が1個ずつ結合しているのに対して、異性化糖はブドウ糖と果糖が最初から分離しています。そのため、異性化糖は体内に吸収されやすく、急激に血糖値を上げてしまいます。
砂糖の摂りすぎも問題ですが、体内に入ると即吸収される異性化糖はもっと問題です。異性化糖をよく摂取する国は、摂取しない国と比較して2型糖尿病が多いといわれています。
そして、活性酸素を作りだすAGEsを大量に生成して、体内の酸化が進みます。
しかも、異性化糖に使われているのは、遺伝子組み換えのとうもろこしです。
加工食品の表示を見ると、「果糖ブドウ糖液糖」「ブドウ糖果糖液糖」「高化糖液糖」などと書かれているものは、全て異性化糖です。
アイスクリームや缶ジュースはもちろん、スーパーの漬物、ポン酢などにも入っています。大手メーカのものは特にですが、ほとんどといっていい程、加工食品、調味料に入っています。
子供たちが、普段食べている市販のお菓子やジュースは本当に危険なものなのです。
食品選びの見直しを
このように、私たちは日常的に危険な食べ物を知らずに口にしているのです。大量生産されている便利で安価な食品は、とても危険です。自分や家族の健康のためにも、是非食品の見直しをして頂きたいと思います。私たち消費者が正しい知識を持ち、危険な食べ物を避けることが、世の中の危険な食品を減らすための重要なことなのです。