コーヒーや紅茶、緑茶に含まれるカフェイン。断食中は一切、摂ってはいけません。
仕事中にコーヒーを飲む習慣があると、断食始めは飲みたくなりますが、不思議と早い段階でその欲求も落ち着き、断食後は逆にコーヒーが飲めなくなっています。断食前はあんなにガブガブ飲んでいたのに…。体調を崩した時もコーヒーは飲みたくないです。
管理人こぶたの経験則から察するに、コーヒーはあくまで刺激のある飲み物であり、断食後に飲めなくなるのはあまり体に良くないからだろうか…、飲み始めると癖になってしまうのは常習性が強いのだろうか…と考え込んでしまうのですが、やっぱりコーヒーは好きなので今も飲んでいます。笑
このページではカフェインの健康効果や注意点について紹介したいと思います。
カフェインとは
最近、スタバが凄いお店を中目黒に作ったそうです。雨の日でも行列で3時間程並ぶとか!ブルーボトルコーヒーが日本上陸した際にも行列ができていましたし、これには私も並びました…。
コーヒーが好きで、拘っている人は多いと思います。
その一方で、コーヒーの飲み過ぎは健康を害する恐れがあるという話をよく聞きます。
これは正しくは、コーヒーに含まれるカフェインの過剰摂取に注意が必要、ということなのですが、カフェインとはそもそもどのような成分なのでしょうか。
カフェインは、植物の葉や茎、種などに含まれるメタルキサンチン類に属する有機化合物(※アルカロイド)の一種で、主にコーヒーの原料となるコーヒー豆(コーヒーノキの種子)や茶葉に多く含まれており、植物が害虫に食べられないようにするため、自らの身を守るために独特の苦みを持つようになったもの、と言われています。
※アルカロイドとは、植物に存在する塩基性を持つ化合物の総称を言います。ケシの実から抽出されるモルヒネや、コカノキの葉に含まれるコカインなどがあります。
カフェインの由来
カフェインは英語で表記すると、 caffeineとなります。
これは、カフェインがコーヒー(coffee)に多く含まれているからという説を始め、コーヒーの原産国であるエチオピアの産地kaffaの地名に由来したもの、コーヒーを飲むと飲酒した時にように体がふわふわする、興奮するなどの作用があることから、ワインという言葉を表すアラビア語のQahwahが語源となっているなど、様々な説があります。
医薬品にも使われている
カフェインは、総合感冒薬や咳止め、鎮痛剤、眠気防止剤などに使用されている医薬品成分でもあります。
また、乗り物酔いの酔い止めに含まれていることもあります。
カフェインが含まれる飲料、含まれない飲み物
カフェインが含まれる飲み物は以下の通りです。
- コーヒー
- ココア
- 抹茶
- 緑茶(特に玉露はカフェインの含有量が多い)
- 紅茶
- ウーロン茶
- ほうじ茶
- 番茶
- 玄米茶
- 炭酸飲料(すべての炭酸飲料に必ずカフェインが入っているわけではありません)
- エナジードリンク
なお、飲み物以外にもチョコレートや抹茶を使ったお菓子、ブラックガムにもカフェインが含まれています。
チョコレートの場合は、ミルクチョコレートよりもカカオの含有量が多いダークチョコレートの方がカフェインの含有量が多くなります。
カフェイン含有量№1は玉露
茶葉に含まれるカフェインの量は若い芽であるほど多くなるため、抹茶や玉露は他の茶類に比べてカフェインの含有量が多いです。中でも、玉露は飲み物の中でも特にカフェインの含有量が多いと言われています。
しかし、玉露にはテアニンというアミノ酸の一種も多く含まれており、このテアニンがカフェインと結びつくことによって、実際のカフェインの作用はコーヒーよりも緩やかだとされています。
カフェインの抽出を増やすコーヒーの淹れ方
コーヒーの淹れ方でもカフェインの含有量が変化します。
コーヒーを淹れるにはドリップとインスタント、水出しと主に3種類がありますが、この中で最もカフェインの含有量が多くなるのがドリップです。
カフェインは抽出する時間が長くなるほど多く抽出されるからです。
ただし、水出しの場合は抽出する時間が長くても、温度が低いためにカフェインが溶け出しにくくなるため、上記の方法の中では一番カフェインの含有量が少なくなります。
また、コーヒー豆の焙煎方法によってもカフェインの含有量が変わってきます。深煎りよりも浅煎り、粗挽きよりも細挽きの方が、カフェインの抽出量が多いです。
つまりカフェインの含有量が多いコーヒーを飲みたければ、浅煎り豆を細挽きにし、ドリップ方式で抽出するのがよい、ということになります。
逆にカフェインが含まれない飲み物も紹介します。断食中には以下の飲み物がおすすめです。
カフェインが含まれない飲み物
- 水
- 麦茶(はと麦茶含む)
- ルイボスティー
- ハーブティー
- 黒豆茶
- そば茶
- コーン茶
- ごぼう茶
- どくだみ茶
- たんぽぽ茶、たんぽぽコーヒー
- デカフェコーヒー(カフェインを除去したコーヒー)など
メモ
デカフェに関しては、カフェインを除去する国や製法によって変わるかもしれません。デカフェのカフェイン含有量について質問して、99.9%除去できると教えてくれる人、除去しきれないので多少は含有されているんだよと教えてくれる人、聞く人によって回答が異なります。またデカフェはせっかくの栄養分(カフェイン)を除去して作るものだから、そもそも品質の良い豆は使わない。そのため、カビが生えているような豆を加工している場所(海外)もあり、信用できない。と著書内で訴求する人もいました。
カフェインの効果やメリット
カフェインは、日本薬局方に登録されている薬物です。
そのため「何となくこんな効果があるような気がする」という気分的なものではなく、研究などに基づいた科学的な根拠がはっきりとしています。
それでは、カフェインの摂取によってどのような効果が得られるのか具体的に見ていきましょう。
眠気を覚ます
カフェインの持つ効果の中で、最もよく知られているのが「覚醒作用」です。
覚醒作用とは、簡単に言うと眠気覚ましの効果です。仕事中に集中力が切れたり、食後にぼーっとしてしまった時にコーヒーを飲むとスッキリするのは、カフェインの覚醒作用によるもの。
カフェインには、眠気を引き起こすアデノシンという物質の働きを阻害する働きがあるため、眠気が覚めやすくなります。
また、カフェインが興奮を促すノルアドレナリンという脳内物質の働きを活発にさせることでも、眠気を覚ます効果を高めています。
痛みをとる
カフェインには血管を収縮させる働きがあるため、血管拡張が原因による頭痛の痛みを和らげる効果があります。
また、現時点では研究段階ですが、カフェインが痛みを感じる特殊なたんぱく質「トリップ・エーワン」の働きを抑えることで、痛みを軽減すると考えられています。
利尿作用
カフェインは血管を収縮して頭痛を和らげる効果がある一方で、血管を拡張して血液の流れを促し尿を体外へ排出するのを高める働きもあります。
これにより体内の余分な水分は減り、むくみの予防や改善に効果があると言われています。
さらに体内の水分が減ることで、心臓が血液を流すために必要以上の拍動をしなくなるため、血圧が下がると言われています。
学習やスポーツのパフォーマンスを高める
カフェインを摂ると、意欲や集中力を高めるドーパミンやノルアドレナリンといった脳内物質の分泌が盛んになり、脳の中枢神経が刺激を受けます。
そうすると、脳が興奮状態となって学習時の記憶力や作業効率を高めたり、運動時のパフォーマンスが向上します。
脂肪燃焼の促進
カフェインには、自律神経の中の交感神経に作用して交感神経を優位にすることで、脂肪燃焼を促す働きがあると言われています。
このため、最近はカフェインを利用したダイエット方法が注目されています。
とは言え、カフェインによるダイエット効果は、カフェインを摂取すればどんどん脂肪が燃えて痩せるということではなく、あくまでも脂肪燃焼を促すサポート的な役割を果たすものです。
カフェインを摂取してから運動すると、血行促進や興奮作用によって、カフェインを摂取していない時よりも脂肪燃焼がしやすい状態になるということです。
胃液の分泌を高める
肉料理など重たい食事をした後に、コーヒーなどカフェインが入った飲み物を摂ると、胃がすっきりするように感じたことはないでしょうか。
実はこれもカフェインの効果の一つで、胃液の分泌を高める働きによって消化を助けてくれるからなのです。
脳機能障害の発症リスクを下げる
こちらは科学的な根拠が明確にはなっていませんが、カフェインの抗炎症作用によって、アルツハイマー病などの認知症や、脳卒中などの発症を抑える働きがあると考えられています。
コーヒーはⅡ型糖尿病の予防に効果がある?
糖質が含まれる食物を摂取すると、消化酵素によってブドウ糖へと変換されて血液に流れ込みます。そしてブドウ糖は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンによって、エネルギーとして体に貯蓄されます。
しかし、高カロリーや高糖質の食事を続けると、糖をエネルギーへと変換するためにインスリンの過剰分泌が続き、やがて膵臓が疲弊してインスリンの分泌が低下してしまいます。
また、インスリンの分泌は通常通り行われていても、ブドウ糖を貯蔵しておく肝臓や筋肉が正常にインスリンに反応できない状態(インスリン抵抗性と言います)になると、血液中のブドウ糖の量が多くなりすぎて高血糖となり、後に様々な合併症を引き起こしてしまいます。これが糖尿病です。
Ⅱ型糖尿病は、食事や運動などの生活習慣が原因で発症する糖尿病のことで、糖尿病患者の9割に及ぶと言われています。
近年、コーヒーを毎日飲む習慣がある人は、そうではない人に比べてⅡ型糖尿病を発症するリスクが下がるという報告が世界各国から発表されています。
日本でも発表されており、その内容は「一日にコーヒーを3~4杯飲む人はそうではない人に比べて、男性は17%、女性は38%もⅡ型糖尿病を発症するリスクが下がる」とされています。
これは、コーヒーに含まれるクロロゲン酸に血糖値を抑制する効果があるためと言われています。
さらに、コーヒーに多く含まれているマグネシウムには、インスリンの働きを活性化させる効果があることも関係していると言われています。
なお、カフェインには糖の代謝を助ける働きがありますが、コーヒーと同様にカフェインを含む紅茶やウーロン茶にはⅡ型糖尿病の発症リスクを下げる効果は見られないことから、このような効果はカフェインの作用ではなく、クロロゲン酸によるものが大きいと考えられているそうです。
カフェイン摂取によるデメリット
カフェインには、適量を摂取することで上に挙げたような様々な効果が期待できる一方、過剰摂取によるデメリットもあります。
睡眠障害
カフェインに眠気を引き起こすアデノシンの働きを妨げる作用があるということは、逆を言うと、眠りたい時に眠れない場合もあるということです。
また、常用的にカフェインを摂取している人は、眠りが浅く、ちょっとした物音でもすぐに起きてしまい、きちんとした睡眠がとりにくくなるとも言われています。
トイレが近くなる
大事な会議中など、トイレに行きにくい状況でも尿意を感じやすくなってしまうため、仕事などに支障が起きる場合があります。
血圧の上昇
カフェインには血管を拡張させて血液の流れを促す働きがあるため、低血圧の人が目覚めにコーヒーを飲むと血圧を安定させる効果が期待できますが、血圧が高めの人がカフェインを摂ると、血液量が増えて高血圧を招く恐れがあります。
不安や興奮が強くなる
カフェインの過剰摂取は、カフェイン中毒を引き起こします。
毎日大量のカフェインを摂っていると、脳がカフェインに耐性が持ち、より多くのカフェインを求めるようになります。すると、カフェインの作用によって脳が常に興奮した状態になってしまい、不安感や心拍数の増加、頭痛などの症状が現れることがあります。
また、カフェインの摂り過ぎが長く続いた後に急に止めてしまった場合にも、不安感や頭痛などの症状の他に、集中力が切れる、極度の眠気、うつ症状などのいわゆる離脱症状が起こりやすくなると言われています。
下痢や腹痛、嘔吐など
カフェインの胃酸分泌促進作用によって、胃酸の出すぎによる胸焼けや胃痛、消化不良、下痢、腹痛、嘔吐などの症状が現れることがあります。
貧血を起こしやすくなる
カフェインには、鉄やカルシウムなどミネラルの吸収を阻害する働きがあるため、鉄の吸収が下がって鉄欠乏性貧血を招く恐れがあります。
特に女性は生理や出産で鉄が不足しやすいため注意が必要です。
カフェイン摂取方法や注意点
現在のところ、日本ではカフェインの摂取量に関するガイドラインはありません。
しかし、海外では摂取量が決まっており、過剰摂取を控えるよう通達が出されています。
健康な成人の場合であれば、欧州食品安全機関では一日400㎎を目安としています。インスタントコーヒー(200ml)に含まれるカフェインの量は120㎎と言われているので、一日にカップで3杯程度が摂取の目安となります。
また、WHO(世界保健機構)では、妊婦の場合、一日のカフェイン摂取量は300㎎までに制限した方がよいとしています。ただし、同じ妊婦でも欧州食品安全機関では一日200㎎以下に抑えるべきとの見方を示しています。
このように、カフェインの摂取量については国や機関、年齢、性別などによって差があるため、どれに倣うかによって「安全とされるカフェインの摂取量」は変わってきます。
そのため、カフェイン摂取によるリスクが高まる恐れのある人は、基準値だけを参考にせず、摂取をできるだけ控えた方が安心と言えます。
なお、子どもの場合、カナダ保健局では、
- 4~6才 一日あたり45㎎まで
- 7~9才 一日あたり62.5㎎まで
- 10~12才 一日あたり85㎎まで
が摂取量の目安です。
最近は、エナジードリンク摂取による子どものカフェイン中毒が問題視されているため、飲みたがってもむやみに与えないよう注意が必要です。
夕方以降はカフェインの摂取は控えた方がよい
カフェインが体内で作用する時間は、個人差はあるもののおよそ4~6時間と言われています。
夜10時に就寝する人であれば、夕方の4時以降にカフェインを摂取してしまうと睡眠に影響してしまうため、カフェインを摂るなら午前中や午後の早い時間がよいです。
コーヒー以外にもカフェインは含まれる
カフェイン=コーヒーという認識が大きいため、コーヒーを飲まなければカフェイン摂取を避けられると思いがちです。
しかし、上記でも挙げたように、意外と多くの飲み物や食品にカフェインは含まれています。
小さい子供さんが車酔いしやすい場合、酔い止めを利用することもあると思いますが、酔い止めにはカフェインが含まれているものもあるため注意が必要です。
目安はあくまでも目安
人によっては、目安量以下でもカフェインを摂取した場合に気分が悪くなることがあります。これはカフェインの感受性に個人差があるためです。
目安量以下であっても、体調に変化があった場合はカフェインの摂取を控えるようにしましょう。