キャベツって美味しいですね。
煮ても炒めても良いですが、管理人こぶたは生のままで食べるのが好きです。(酵素も摂れるし)おつまみには塩昆布とごま油で和えたり、マヨネーズだけでも美味しいです。生姜焼きを食べる時はお肉以上にキャベツを食べます。
そんな大好きなキャベツが、栄養たっぷりで健康に良いと知ったらますます美味しく感じるかもしれません。このページではキャベツの健康・美容成分について紹介します。
キャベツの種類と栄養素
味に癖がなく、生でも煮ても焼いても食べられるキャベツは、普段の食事で食べる機会が多い野菜の一つと言えます。
スーパーで一年中買うことができますが、実は、季節によって出回るキャベツには品種の違いがあり食味も変わるんです。
キャベツの歴史
キャベツは、地中海沿岸部に自然に生えていた野生種が原産の野菜です。
アブラナ科アブラナ属の植物で、祖先はケールと言われています。ケールと言えば、日本では青汁の原料として有名な野菜です。
ケールとキャベツは同じアブラナ科の野菜ですが、ケールがキャベツの祖先と言われてもイメージがしにくい理由は、過去、キャベツは今のように結球(葉が重なり球のようになること)していなく、葉が上に伸びた植物だったからです。
元々は地中海沿岸部に住んでいたイベリア人が、野生種をそのまま利用していましたが、後にケルト人によって栽培が始まりヨーロッパへと広がっていくと、品種改良を経て葉が丸まるようになったと言われています。
日本には、江戸時代にオランダ人が長崎へと持ち込んだとされていますが、非結球のキャベツ(ケール)は観賞用として栽培されるに留まりました。
本格的にキャベツが食べられるようになったのは、明治時代と言われています。結球するキャベツの種子をアメリカから輸入したのが始まりですが、洋食屋でカツレツに生のキャベツを添えるようになってから、一般にも知られるようになりました。
なお、今の日本では当たり前のように生野菜を食べますが、当時は日本人にとって野菜は加熱調理して食べるもので、生食には馴染みがありませんでしたが、それを変えたのがカツレツに添えられた千切りのキャベツだと言われており、以後、様々な野菜が生で食べられるようになったと言われています。
キャベツの種類や名産地
春キャベツ
秋に種を撒いて春に収穫するキャベツで、新キャベツや春玉と言われることもあります。
巻きが緩く、中の方まで淡く黄緑色がついているのが特徴です。
葉が柔らかいので生食に向いています。
冬キャベツ
夏に種を撒いて冬に収穫するキャベツで、寒玉とも呼ばれています。一年を通じて最も流通しているのが冬キャベツです。
形は丸いというより平らで、色は春キャベツと異なり中にいくほど白っぽくなり、ずっしりと重みがあります。
葉が硬いため加熱調理でも煮崩れしにくく、熱を入れると甘味が増すのが特徴です。
夏キャベツ
夏に収穫されるキャベツで、多くは冬キャベツ(寒玉)の品種改良によるものです。
多くが長野県や群馬県の高原で栽培しているため、高原キャベツと言われることもあります。
紫キャベツ
赤キャベツとも呼ばれ、その名の通り葉が紫色をしています。
サラダやピクルスに使うと、色が鮮やかになって見た目が綺麗になりお勧めです。
芽キャベツ
一口大の小さいキャベツの品種で、冬に多く出回ります。
煮崩れしにくいので、煮込み料理に向いています。
グリーンボール
春に出回るキャベツの品種で、別名は丸玉。
名前の通り、ボールのような丸みを帯びているのが特徴です。
葉がぎっしりと詰まって肉厚ですが、柔らかいため生食にも加熱調理にも向いています。
ちりめんキャベツ
葉が縮れているのでその名がついていますが、フランスのサボイ地方が原産のためサボイキャベツとも呼ばれています。
葉に含まれる水分が少なく、繊維質ですが、柔らかい部分は生食できます。
キャベツの選び方
葉の巻き方がしっかりとしていて、形がいびつではなく丸みがある方が美味しいと言われています。
同じような見た目の場合は、持ってみて重い方が水分を多く含むので、その分瑞々しくなり美味しいキャベツです。
ただし、春キャベツは葉の隙間が適度にあり、空気を含んでいる方が、葉がより柔らかくて生食に向いています。
また、キャベツは芯の部分が大きすぎると、育ちすぎていて味が落ちると言われています。芯の大きさは500円硬貨程度のものが最も美味しいと言われています。
保存方法
キャベツを保存する時は、芯の部分をくり抜き、濡らしたキッチンペーパーを詰めて、新聞紙にくるんで冷蔵庫で保管します。(気温の低い冬は常温でも大丈夫です)
丸ごと使い切らない場合は、カットして使うのではなく、外葉をよけて葉を一枚ずつ剥がして使うようにすると長持ちします。
外葉は乾燥を防ぐので、できれば取り外さずに残った葉を包むようにするとよいです。
キャベツに含まれる主な栄養素とその効果
キャベツ(ケール)は、古代ギリシャやローマでは薬草として利用され、主に胃腸の調子を整えたり、二日酔いの解消、傷口の手当てなどに使っていたと言われています。
有名な数学者のピタゴラスが、「心を落ち着かせ、活力をもたらす野菜」とキャベツのことを評した記録が残っているそうです。
このように、古くからキャベツは体に良い野菜と認識されていたのですが、それにはキャベツに含まれている数多くの栄養素に理由があります。
ビタミンC
キャベツにはビタミンCが豊富に含まれています。
ビタミンCは抗酸化作用が高い成分です。抗酸化作用とは、簡単に言うと細胞の酸化を防ぐ働きのあるものを言い、それによって細胞の働きを活性化させる効果が期待できます。
また、ビタミンCは肌の潤いの元となるコラーゲンを生成するのに必要な成分でもあるため、アンチエイジングや美肌に効果があるとも言われています。
さらに、皮膚の粘膜の保護や修正に役立ち、心身をストレスから守るホルモンの合成にも携わっているので、免疫力の向上や抗ストレス作用があると言われています。
ビタミンK
キャベツは野菜の中でも特にビタミンKを多く含んでいます。
ビタミンKには、骨の形成や血液の凝固を助ける働きがあるため、特に成長期の子供さんは積極的に摂取したい成分です。
カルシウム
キャベツにはカルシウムも多く含まれているので、ビタミンKと合わせて骨や歯を丈夫にする効果が期待できます。
また、カルシウムにはイライラを抑制する働きもあると言われています。これは、体内のカルシウムが不足すると、細胞に貯蔵されていたカルシウムが一気に放出され、結果カルシウムが過剰になり、神経が興奮状態になるのが理由です。
「それならカルシウムは摂らない方がよいのでは?」と思ってしまいますが、カルシウム過剰は体内のカルシウム量が不足すると起こるので、その事態を防ぐために体内に必要なカルシウムを摂取することは、神経の興奮を防ぎ、イライラを抑えることに繋がります。
カリウム
カリウムには、体内の余分な塩分を水分と一緒に排出する働きがあり、むくみや冷えの解消に繋がります。
冷えが健康やダイエットによくないことはよく知られていますが、むくみも単に「見た目が太って見える」だけではなく、健康やダイエットにおいて様々な弊害をもたらせます。
むくみは血液の水分量を増やして心臓に負担を強いるため、高血圧の原因になります。また、むくみを放置していると、脂肪と水分が結び付いて、脂肪より落としにくいセルライトを作ってしまいます。
そのため、カリウムによってむくみを解消すると、見た目が引き締まって見えるだけではなく、セルライトの予防や代謝のアップによるダイエット効果が期待できます。
食物繊維
食物繊維は胃で吸収されずに腸に届き、水分を吸って便のかさを増して腸壁を刺激し、ぜん動運動を促す働きがあります。
また、食物繊維は腸内環境を整える善玉菌のエサになるため、これらの作用によって便秘解消に役立ちます。
便秘になると腸で腐敗した便から有害ガスが発生し、腸壁を通じて血液へと流れ込みます。血液によって運ばれた有害ガスが細胞に取り込まれることで、細胞の働きが悪くなって代謝が下がります。
そのため、便秘を解消することは代謝のよい体を作ることにも繋がり、ダイエットの効果を高めることができます。
さらに、食物繊維には血糖値の上昇を抑える働きもあります。食後に血糖値が上がると、インスリンの分泌が増えて糖を脂肪としてため込みやすくなってしまいます。急上昇した血糖が今度は急降下することで空腹を感じやすくなりますが、食物繊維によって血糖値の上昇を抑えることでこれらの作用を防ぐのでダイエットに役立ちます。
イソチオシアネート
イソチオシアネートは酵素の一種で、キャベツを始めとして大根やブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に多く含まれています。
イソチオシアネートには、肝臓の働きを高めてガンなどの有害物質の排出を促す効果があることから、近年は抗ガン作用に高い注目が集まっています。
中でも肺ガンの抑制効果が期待されており、喫煙の習慣がある人のうち、キャベツをよく摂取している人はそうじゃない人に比べて肺ガンの発生率が低いことが研究結果として発表されています。
ジアスターゼ
ジアスターゼもイソチオシアネートと同じ酵素の一種ですが、でんぷんを分解する働きに優れた消化酵素のため、主食がお米の日本人にとっては積極的に摂りたい成分です。
ジアスターゼによって消化が促されることで、胃の働きを助けてくれます。
ビタミンU
ビタミンUは体内で合成できることや、不足による欠乏症が起こらないため、正確にはビタミン様物質(ビタミンと似た働きをするもの)に分類されますが、胃の粘膜の修正や胃液分泌の抑制など、胃の調子を整える効果が期待できる成分です。
このような効果が期待できる市販薬に“キャベジン”がありますが、実はキャベジンはビタミンUの別名で、キャベツの汁から発見されたことからキャベジンと名づけられました。
アントシアニン
葉が紫色の紫キャベツには、ポリフェノールの一種のアントシアニンが含まれています。
ポリフェノールには優れた抗酸化作用がありますが、アントシアニンは近年、眼精疲労や視力回復など、様々な効果が期待される成分として注目を集めています。
ボロン
キャベツに含まれる成分の一つに、ボロンがあります。
女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをすることから、キャベツをたくさん食べるとバストアップになると話題になりました。
結論から言うと、これについて科学的な根拠を示すものは今現在ないようです。
ただし、根拠がないからと言って、ボロンにはバストアップ効果がないと決定したわけではありません。
ボロンに限らず、様々な栄養素をバランスよく摂取することは、細胞の活性化に役立つため、偏りがない食生活を送ることが大切です。
ダイエット向けのキャベツの食べ方
ダイエット中にキャベツを食べるなら、加熱調理はせずに生で食べるのがお勧め。
キャベツに含まれる栄養素の中には、熱に弱い特性を持つものもあるので、できるだけ有効な栄養素を失わないようにして食べるなら生が良いのです。
また、キャベツには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれています。不溶性食物繊維は加熱によって量が減ることはありませんが、水溶性食物繊維は茹でたり煮たりすると汁に溶けだしてしまうため、その点でもキャベツは生で食べるのがよいと言えます。
生食によって繊維質を感じやすくなるので自然と咀嚼回数が増え、早食いやドカ食いを防ぐことができます。
千切りよりも手で適当にちぎったくらいの大きさの方が、食べ応えがあって噛む回数が増えるので、ダイエット効果を高めたい場合は大き目のキャベツを生のまま食べてみてください。
酢キャベツもお勧め
大き目のキャベツをただボリボリと食べるのはちょっと・・という人は、千切りしたキャベツに酢と塩を加えた酢キャベツがお勧めです。
酢の殺菌作用によって腸内の悪玉菌を減らし、善玉菌を増やす効果が期待できます。
また、血糖値の上昇を抑える作用もあるので、2つを組み合わせた酢キャベツはキャベツのみを食べるよりもダイエット効果を高めることができます。
保存袋に大量に作っておいておくと1週間程度は日持ちするので、空腹時につまめるように準備しておくと安心です。