読み方・表示名 | 安息香酸・あんそくこうさん・安息香酸Na・あんそくこうさんなとりうむ |
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使用用途 | 保存料( 細菌やカビの繁殖をおさえて、食品の保存性を高める。) ※食品だけでなく、化粧品の防腐剤としても使用される。 抗菌剤( 雑菌の繁殖をおさえる。) |
使われている主な食品 | 栄養ドリンク・清涼飲料水・しょうゆ・果汁・果実ペースト・シロップ・マーガリン等 |
使われている主な製品 | 大正製薬「 リポビタンD 」 大鵬薬品工業「 チオビタドリンク 」 コストコ「 レッドグレープフルーツカップ 」 味の素「 パルスイート カロリーゼロ液体 」 アライドコーポレーション「 タイの台所( タイ野菜炒めの素 )」 |
毒性 | 毒性が強く、条件によって発がん物質に変化する可能性あり |
安息香酸(安息香酸ナトリウム)+アスコルビン酸(V.C)=・・・
安息香酸(安息香酸ナトリウム)+アスコルビン酸(V.C)=ベンゼン
食品添加物は、組み合わせによって使用量を減らすことができたり、効果的にもなりますが、要注意の組み合わせがあります。それが「 安息香酸 」または「 安息香酸Na 」と「 アスコルビン酸 」の組み合わせです。
両者は、同時に使用され、温度や紫外線やその他の条件が揃い反応してしまうと、ベンゼンという非常に毒性の強い物質が生成されてしまうのです。
それぞれの特徴をまとめてみました。
- 安息香酸( 安息香酸Na )
・・・抗菌作用があることから、古くから保存料として使われてきました。
日本では1948年に食品添加物に指定されました。
しかし、動物実験では死亡例があり、食品への使用限度が定められています。 - アスコルビン酸
・・・ビタミンCの化学名です。
1957年に「 L-アスコルビン酸 」の名で食品添加物に指定されています。
野菜・果実に含まれている栄養素のひとつで、毒性は認められていません。 - ベンゼン
・・・タバコの煙・自動車の排ガスに含まれていたり、石炭や石油の燃焼により発生する化学物質です。
国際がん研究所は、ベンゼンを「 人に対して発がん性がある 」( グループ1 )に分類しています。
こんな恐ろしい物質が知らないうちに食べ物や飲み物の中に混ざっていたら…。そんな事件が起こっていたのです。清涼飲料水や、一部の医薬部外品の飲料の中身が……。
2006年3月 イギリスで市販の清涼飲料水の中から基準値を超えるベンゼンの検出を公表。対象商品を自主回収する。
( 安息香酸とアスコルビン酸が反応を起こしたものと考えられた。 )
5月 アメリカ合衆国 同じく基準値を超えるベンゼンの検出を公表。
6月 オーストラリア 同じく基準値を超えるベンゼンの検出を公表。
7月 日本 DHCが発売した清涼飲料水「 アロエベラ 」から基準値の7倍ものベンゼンを検出。DHCは商品を自主回収する。
公表の時期やタイミングから察すると、「 清涼飲料水の中にベンゼンが生成 」というニュースが世界中に流れ、各国が急いで検査を始めた結果、こういうことになった…というところでしょうか。
危険なイメージのベンゼンですが、この物質は空気中にも含まれていて、私たちは日常生活でも毎日体内に取り込んでいます。
この「 発見 」で、各国の清涼飲料水から検出されたベンゼンの量は「 直ちに健康に影響を及ぼすものではない 」「 冷静に対処して欲しい 」ということだったのですが……。
この言葉、どこかで聞き覚えがありませんか?
3・11東日本大震災の後、福島の原発事故で被ばくや残留放射能の問題が起こった時、テレビでは繰り返しこの言葉が流れました。
国民全体が不安になっている中、不自然なくらい何度も聞いたのでよく覚えています。
国がこの言葉を使う時、裏に隠れているメッセージは「 今日、明日には健康に悪い影響は出ませんが、これから先ずっと大丈夫とは言えませんよ。自分のことは自分で考えて、行動してください。国は責任を取れませんから。」
…こう思うのは、意地が悪すぎますか?